シャンパーニュのブレンドの必要性
- peko
- 2023年7月18日
- 読了時間: 3分

近年、畑を特定したり単一ヴィンテージの、ブレンドをしないシャンパーニュがポコポコと湧いてきている ーというNewsを一年くらい前に目にし、あ、これはブログに書かなくちゃ・・と思ったまま、月日が流れてしまった。。
まず、シャンパーニュとはどういうワインか?
ご存知の通り、フランスはシャンパーニュ地方で造られた発泡性のワインである。
この地域で特定のブドウ品種を使い、栽培・醸造の条件に基づいて造られたものにしか名乗ることはできない。
主たるメゾンは300弱あり、自家用含む生産者は約2000。シャンパン用ブドウ栽培農家は19000軒ある。
プレステージ・シャンパン(いい年だけのヴィンテージ・シャンパン)や、単一畑のシャンパンを造るようなメゾンは自社畑も持っている。
スタンダード品はノン・ヴィンテージ(NV)で、複数の年、畑、品種のベースワインをブレンドして造ることで、毎年安定したそのメゾンの味、品質を守っている。
ざっと上記の感じで、シャンパーニュはブドウが造られた年や畑よりもメゾンの個性やスタイルで看板を掲げてきた由来があり、シャンパーニュの成功はブレンドの力によって築かれたと言えるものがある。
では、なぜ近年このような動向が目立つようになったのか・・・
いろいろ調べてみると、端的に言って「消費者の需要や関心を満たすため」のようだ。
ブランドとディテールの2つの側面があるけど、消費者にとっても生産者にとっても、どちらもシャンパーニュメゾンを観る時、語る時には大切な要素。
ただ、流動的な市場において、希少価値のある単一畑やヴィンテージものはここのところ価格高騰の波に乗り、かなり好調のようである。
ディテールにこだわる消費者にとって、産地証明はますます重要で影響力のある概念となっており、メゾンは商機の波に乗っかっていると言ったところだろうか。
元々、シャンパーニュは年間平均気温11℃というかなり寒い地域。
そのために、毎年安定した質と量のブドウが取れないことからブレンドをしている。
単一畑やヴィンテージものは、その畑や年を感じるにはとてもいいもの。ただ、希少で需要があり(ビジネス的に)、かなり価格が高いのがネックだけど。
その点、NVのスタンダード品はそのメゾン(ブランド)を知るにはうってつけ。いや、これを飲まなきゃそのメゾンを知ることは出来ないもの。
だから私は、シャンパーニュにおけるブレンドは不可欠で、今後もディテール重視の商材が増えるかもしれないけれど、そのメゾンを語る上でなくてはならないものだと思っている。
p.s. ここ1,2年のシャンパーニュの高騰はすごいものがある。輸入も途切れ途切れなので品物がないことが多々ある。これどこにでも売ってる超大手のスタンダード品の話です…